watari開発 – Advent201902 –

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stage 2: 選択と集中

前回、旅における個人的な「痛み」を探した。

  1. 旅の状況や楽しさを伝えるための既存ツールの役不足 or めんどくささ
  2. 情報収集めんどくさい
  3. 旅をして、その旅が資産になって、また旅にいける。になってない

一度に全てを満たすように動くのはとても大変だ。そのため、一極集中で限りなく狭い範囲の「自分」に対してとても深い「価値」を出せるように選択することにする。

選択と集中

結果から言うと

旅の状況や楽しさを伝えるための既存ツールの役不足 or めんどくささ

に集中することにする。

考える軸は「初手の大きさ」と「1.5歩先」だ。既存の行動から大きく外れているものは初手の負担が大きい、つまり進めづらい・やりづらいということになる。一方で、ある特定の分野において経験・研鑽を積んでいれば勝手に歩数は進んでいる。なのでそこからさらに自分なりの1.5歩先を描けるものであれば、他の人より進んだ状態のさらに少しだけ先にいける。はず。というロジック。

その軸に照らして真っ先に落としたのは3つめの「旅の資産化」である。なぜなら、今の自分には存在しない行動であるため初手の負担が非常に大きくなってしまうからだ。日々旅行中に友達からブランド品を免税で買ってきて!って頼まれている人が仕入れを行ったり、仕事で外注などを行っていて現地の繋がりから別な仕事を一緒にやったりとかができればまだしも、今の自分にはなんかそこまで楽しそうな感じのものが出てこない。

次に2つめの「情報収集」を落とした。この課題には「価値を提供する側」と「価値を受給する側」がある。先に提供する側を考える必要がある。しかし、自分は出版社に勤めているわけでもないし、国々を隅々まで回ったCAでもない。それと比較すると自分の地点からの1.5歩先がそこまで進んだ1.5歩先になるわけではなく、提供できる情報の量と質が現段階だとそこまで良いとは思えない。初手の負担がそこまで高くなく、かつ自分には出せるという方法もあるが、ググりまくって登録したり、クローラーで既存のwebに上がっている情報を収集してくるという形になる。いわゆるメタサーチな感じのもの。ものすごい「あったら使うかもな」が出来上がりそうで微妙。そのやり方は既存の代替手段で困っていないからだ。

なので、最終的には「旅の楽しさを簡単に伝えられる何か」をやることにした。これまでもSNSへの投稿や写真の撮影とかは行っている。なのでこれも初手の大きさとしては悪くない。お手頃だ。また旅行自体の経験はそういったものを生業としている人や海外出張がものすごく多い人とまではいかないため、アウトプットがたくさんできる訳ではないが、アウトプットするためのモノを作ることに関してはそれなりに進んでいる地点にいる。なので自分の領域であるモノ作りの地点を利用して1.5歩先を描けばいいのではないかという結論に至った。

解消方法を探す

痛みを解消するなら手段なんてなんでもいいはずだ。例えば、「美味い店が見つけられない」という痛みなら「美味い店が見つかればいい」のであって「友人に聞く」「食べログの評価に従う」「自分で店を作る」でもいいはずだ。

ただ、現在の行動を変えることはなかなか難しいし、無理してやっていても続かない。「これあったらやるなー」「こういうのがあれば使うなー」っていうのは多分使わない。webで発信しない人は発信しないし、勉強しない人は勉強しないし、海外旅行に行かない人は全然行かない。「美味い店が見つけられない」人がこれまで「食べログに従っていた」のであれば「友人に聞く」とか「自分で店を作る」などは10倍以上の利便性や価値がない限りその行動を変えるのは難しい(このケースだと美食家の友人がいればコストとリターンが最大な気がする)。もしくはとても楽しい・ワクワクするって思って小さくでも始められるかどうか。

今回のアドベントカレンダーの目的は「自分が第一級ユーザーとして使うサービスを作る」である。中途半端な「やるかもなー」みたいなのは一切不要だ。だから、自分の現在の行動の代替手段レベルで成り立つものを考えてみる。しかしその代替手段で得られる価値は、既存の行動により得られる価値よりも10倍以上に早いとか便利とか楽しいとか、これまであった作業が消えるとか、これまでできなかったものができるようになるとか、アップグレードされている必要がある。

なので、まず自分を10倍幸せにする手段を考えよう。フィードバックループは高速だ。反省して作り直したらいい。満足できたら友人知人に「旅先で使えるようにこれ作ったんだけど使ってみて」ってインストールしたりもできる。その人からもフィードバックをもらって10倍くらい幸せになってもらって・・・を繰り返せば旅行する人を10倍幸せにするプロダクトができるんじゃないかという仮説。

次回は

10倍幸せな状態を見つけてプロダクトを考えてみよう。